〔参考資料〕               

私たちがチェルノブイリから学んだこと

めぐみ幼稚園                        

   
1986年に、ロシアでチェルノブイリの原発事故が起こりました。

放射能汚染の影響は、直接被爆(放射線が、体に当たったり、通り抜けたりすること)と、食品(飲料水)や大気中の放射線量から体内に入る、内部被爆(放射能物質を吸い込んだり汚染された食物、飲料水を摂取した場合)が心配されます。

当時、ポーランド政府は、チェルノブイリの事故、4日後に、ヨード剤の配布を指示、小児人口の90%以上にあたる1千万人の子どもに飲ませました。
その結果、小児に甲状腺がんは、発生しませんでした。
しかし、他の地区
※1(ウクライナ、ベラルーシ、ロシア4州)では、事故後3年たってから、子供の甲状腺がんの報告が出始め、5年後からは、はっきりと増加しました。
《86年以降、他の地区
※1 18歳以下の6848人に、甲状腺がんが発生、05年までに、15人が死亡(国連化学委員会の調査データ 91〜05)》

ここで、問題となったのは、放射性ヨウ素(ヨウ素131)を体内に、多く取り込んだことでした。

放射能の影響を受けやすい子ども(細胞分裂が活発で、新陳代謝がはげしい)と妊婦(胎児に影響が大きい)は、特に気をつけたほうがよいでしょう。
(細胞分裂の家庭で、放射能が、遺伝子を傷つける)

チェルノブイリ後、「硬化性型甲状腺がん」が、今までになかったタイプで、広島の被爆者よりもひどい状態です。

被爆の影響には、個人差があるみたいですが、乳幼児は、放射線に弱いため、注意したほうがよいでしょう。

原発がある地域には、ヨード剤が備蓄されていますが、他のところでは、備蓄されておらず、手に入りにくく、また、保険対象外です。

今後、大気中の放射線量が、異常に高くなったときは、10a四方のだし昆布を100〜150mlの水に入れた昆布水を年齢に応じて、飲んだり、ヨウ素を多く含む食品(海苔やわかめなどの海草、バナナ、ほうれん草など)を摂取し、放射性ヨウ素を体内に吸収せずに、尿などと一緒に排出しましょう。

あまり神経質になって、大量に摂取する必要はありませんが、国の指示があったときは、少し量を増やすなり、ヨード剤を服用しましょう。【うがい薬を飲むのは止めましょう】
《6歳以下の対象者には、医療品ヨウ化カリウムの粉末(安定ヨウ素剤)を水に溶解し、シロップを適当量加えて、飲ませる。40歳以上については服用する必要はない。》

浮遊放射性物質のガンマ線による被爆の低減係数は、
屋外(1.0)のとき、自動車内(1.0) 木造家屋(0.9)、木造家屋の地下(0.6)、大きなコンクリート建物(0.2)とのデータがあります。(原子力安全委員会の資料)

危険なときは、屋内での活動を中心に、安全な毎日を送りたいと思います。

◎むやみに神経質になりすぎないで、冷静に、落ち着いて行動しましょう。


☆この資料は、チェルノブイリの医療支援活動に参加した
長野県松本市長 菅谷昭氏(96年から5年半ベラルーシ滞在)、
広島市 武市クリニック院長 武市宣雄氏(ウクライナ、ベラルーシ活動)の、
発表論説等を参考に、要約しました。《2011.4 逢坂信弥》

ホームへ